訪問美容サービスっていう言葉は昨今は高齢化社会の影響もありよく聞かれるようになりました。
でも訪問美容っていつからはじまったのか、サロン内で美容業となにが違うのか、そのあたりの歴史を深堀りしたいと思います。

どのような経緯を経て今の訪問美容というサービスがあるのか興味あります!
訪問美容(理容)の起源は江戸時代からあったと言われています。
当時から現代の訪問美容師のように店舗を持たずに、道具を携えて顧客の自宅を訪問し、髪を結う「髪結師」という職業があったようです。江戸では「あごつき」、京都や大阪では「廻り」と呼ばれ、得意先を巡回して仕事にありつけていました。
(逆に今のバーバーやサロンのようにお店を構えると「床屋」「髪結床」と呼ばれていたようです)

まだ法律や制度がきっちり決まってなかったので、技術さえあればわりと自由に商売できていたんですね。
しかし、戦後の1951年(昭和26年)に理容師美容師法が改称され、特別な事情を除いて出張営業が禁止されたため、訪問美容の文化は一時的に衰退したようです。
この頃から日本の男性や女性も「髪を結う」から「髪を切る」に移行していき「髪結師」から理容師・美容師に段階を経て名称が変わって行きます。
またこういった法律ができた背景としては
・当時日本では感染症が大流行していたため、感染しやすい理美容業において衛生面を徹底する必 要があった。
・店舗を構えない出張理美容という形式だと今で言う闇営業のように税金をしっかり取れなかったり、消費者に危険が及ぶようなサービスを取り締まれないため、理美容所内で営業するよう規制する必要があった。
この2点が大きいように思います。

お国のためにもお客様のためにもしっかり規制する業態なのでしょうね。
でもそうなると出張業務は縮小。。。。悩ましい。。
感染症が発生しやすい業態なので衛生管理を徹底し、理美容所を開業する際にも保健所に届け出を提出し、厳しい審査を受けてようやく理美容業を始めることができます。
理美容組合もだんだん大きくなってさまざまな組織に管理されることで、今のような清潔で安全な美容院、理容室がたくさん出店していきました。
例外的に疾病を患っていて理美容所に行けない人に限り、
理美容師が出張して理美容所以外での施術が可能となりました。
その後、昭和、平成、令和と時を経て、日本における高齢化社会の進行に伴い、サロンに来店できない高齢者や身体が不自由な人々への対応が社会的に求められるようになっていきます。1990年代前後くらいから一部の美容師が個別に訪問美容を再開し、例えば1993年頃には訪問美容を専門的に提供する事例も現れました。
2000年に介護保険制度が施行されたことで、訪問美容サービスの需要はさらに高まり、制度上のサポートを受けながらサービスを受けることが可能になりました。これにより、訪問美容は社会的な役割を担う重要なサービスとして広く認識されるようになります。
国の政策や組合の取り組みも積極的に高齢化社会と向き合うため、福祉や介護の充実、法律や制度の緩和を進めています。

時代がかわれば、ニーズが変わり、ニーズが変われば制度も変えないといけないですね。
このように歴史的背景から現代に至るまで、訪問美容サービスは日本において顧客のニーズや社会の変化に対応しながら発展してきたといえます。
江戸時代のときのように、誰でもどこででも施術ができるとなるとそれはそれで多くの問題が発生するとは思いますが、美容室になかなか足を運べない方々と、外に出たくても美容所の中でしか施術ができない美容師たちをもっと繋ぐことができればいいですね。
最後までみていただきありがとうございました。
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